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食品・飲料業界(F&B)の物流:コスト上昇やサプライチェーンの混乱リスクを軽減する方法

最新の『食品・飲料・小売・卸売業界調査レポート 2023年版 - アジア地域』によると、同セクターで事業を展開する企業は、地政学と安全保障を巡る脅威への対応に自信を持てていません(10段階評価で3.7)。さらに、サプライチェーンの混乱への対応に自信がある企業は、回答者の半分未満に留まっています。

昨今の世界各地で発生した事象は、食品・飲料業界の物流に大きな打撃を与えており、企業は以下の各種リスクをはじめ、サプライチェーンに関するリスク管理の重要性を再認識しています。

  • 2024年に入り、北米とアジアを結ぶ重要な貿易航路であるパナマ運河において、深刻な干ばつに伴って船舶の通航が制限されている。そのため、運航ルートの変更によって燃油代と運賃が上昇1するだけではなく、1 世界中の企業や業界にとって必須の部品が入手困難な状況に陥っている。
  • 紅海で地政学的緊張が高まり、ベリーズ船籍のルビーマー号が最近沈没するなど、貨物船への攻撃が発生している。2 安全保障面のリスクを避けるためにコンテナ船は運航ルートの変更を余儀なくされ、コストの上昇やサプライチェーンの混乱に直面している。

サプライチェーンの混乱が拡大する中、アジアの食品・飲料会社はどのように対処するべきでしょうか?

生鮮食品や温度の影響を受けやすい貨物を巡る懸念の高まり

穀物や油糧種子などの農産物に関するサプライチェーンは、紅海で勃発した地政学的緊張の悪影響を受けています。

2024年1月上半期、スエズ運河を経由する小麦の貨物量は約40%も急減し、遅延や運航距離が延びることにより受損や廃棄のリスクが増大しています。3

食品・飲料業界では、生鮮食品や温度の影響を受けやすい貨物を輸送する場合が多く見受けられます。また、航路変更に伴うコスト上昇のほかに、輸送期間の延長も、正品輸送貨物に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、企業は分損や全損のリスクを被るだけでなく、規定の品質や数量で貨物を納品できない場合には契約違反のリスクにもさらされかねません。

中には、ばら積みやコンテナ貨物の中には短時間の輸送にしか耐え得ないものもあります。貨物それが不可能な場合には、コールドチェーン(冷凍冷蔵)コンテナを使用せざるをえず、コストが大幅に上昇します。さらに、こうしたコンテナは、時期と場所によっては調達できない場合もあります。

リスクを軽減し、コストを抑制するために、長距離航海で生鮮食品を輸送する食品・飲料会社は、リスク管理・軽減の手段として状況に即したテイラーメイドの手法を新たに採用し、包括的な保険プログラムを手配する必要があります。同時に、運送業者を含む取引相手との間で、リスクを最適に分散することも求められます。

食品・飲料業界で物流コストが上昇

また、紅海航路で輸送している食品・飲料会社は、保険料の上昇に見舞われています。たとえば、7日間から14日間で終了する単一航海の場合、ワランティ違反(BoW)の保険料率の上昇が見られます。

また、貨物海上保険を扱う保険会社は、紅海を運航する船舶に対し、戦争・ストライキのリスクを勘案して追加の保険料を請求しています。こうした状況により冷凍・冷蔵、紅海航路に依存している食品・飲料会社は最終損益に直接的な影響を受けています。

紅海での紛争がもたらす波及の影響:世界的に輸送・小売りのサプライチェーンが混乱

紅海航路を巡る安全上の懸念が高まる中、一部のコンテナ船は、喜望峰を回る航路に変更しており、これにより新たな物流上の課題が生じています。迂回することで輸送期間が2週間以上延びるだけではなく4 、喜望峰ルートを回る船舶の貨物スペースの需要が増加して輸送料が上昇するとともに、運行距離の延長に伴う燃料消費量の増加により、運賃が上昇しています。さらに、ソマリア沖で増加傾向にあった海賊行為は勢いを増しており、海賊は、喜望峰航路へ変更したコンテナ船を襲撃しています5

喜望峰を経由して欧州へ向かうコンテナの運賃は、2023年10月から2024年1月の間にほぼ倍増しています。食品・飲料会社は、これらの追加コストをどの程度まで自社で吸収しつつ、貨物の買い手や消費者にどの程度まで転嫁するかの判断に迫られています。6 自社の利益と最終損益が損なわれる可能性が高いため、食品・飲料会社にとって、さらなる損失の発生を防ぐための対策がより一層重要になっています。

食品・飲料会社はサプライチェーンリスクにどう対処できるか

1. 適切な貨物海上保険/傭船者賠償責任保険と取引信用保険を活用する

食品・飲料会社がとるべき最初の手段は、保険を活用して自社の貨物や輸送から生じる損失や損害による財務的影響を最小限に食い止めることです。各種保険料が上昇する中、信頼できるリスクアドバイザーや保険仲介業者に相談して、競争力の高い料率で適切な規模の 貨物海上保険/用船社賠償責任保険を探したり、取引信用保険(取引信用の条件を設けて販売している場合)の手配を検討したりしましょう。

  • 戦争に対する補償
  • 発熱、結露、自然発火など貨物固有の性質に関わる補償(特に農産物)
  • 冷凍冷蔵コンテナが故障した場合の免責期間(およびその期間を最小限に抑えることが可能かどうか)
  • 物的損害が発生していない場合でも、航海完了の遅延に伴うコストの補てん

同時に、食品・飲料会社が保管場所や配送場所での貨物の補償について、ストックスループット保険も検討できます。さらに、取引信用保険は、貨物の納入遅延・不足、それに伴う買い手の支払い遅延を補償するため、貴社のキャッシュフローとバランスシートを守ることができます。

マーシュは、戦争に関連する事態やサプライチェーンの混乱に伴う損失に直接関わっている企業を対象に、適切な保険会社(船舶保険、P&I保険、貨物保険など)との連携に必要なクレームマネジメントの専門知識を提供することが可能です。

2. 混乱リスクを軽減するために別のサプライヤーを探す

地政学的緊張とサプライチェーンの混乱 が引き金となり、深刻な輸送の遅延と商品不足に発展する可能性があります。アジアの食品・飲料会社は、同一地域内で別のサプライヤーを探し、サプライチェーンのレジリエンスを強化する必要があります。

サプライチェーンの多角化戦略によって、アジア市場が食品輸入に関する高いレジリエンスを有することができるようになります。例を挙げると、シンガポールと香港は国内の天然資源が限られており、海外の輸出制限や価格変動の影響を受けやすくなっています。シンガポールは、食品の輸入先の拡大に成功7し、サプライチェーンの多様化がいかに効果的かを物語っています。

3. サプライチェーンのレジリエンスについて、リスク管理戦略を見直す

輸送時間の長期化リスクや貨物の損害リスクが高まる中、食品・飲料会社が運送業者との交渉を検討すれば、航路や下請け業者、貨物の移動、賠償責任の程度について、自社の管理体制や柔軟性が高まるでしょう。

さらに、サプライチェーンのマッピングを行えば、既存のサプライチェーン体制に内在する各種リスクへの理解も深まるはずです。その結果、単一の供給源やサプライヤー、航路への依存度を分散・減少させるための経営判断を行いやすくなります。サプライチェーンのマッピングを行うことで、遅延時や混乱時の迅速かつ効果的な対応に向けて、効果的なコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)と事業継続計画の策定も進みます。

食品・飲料業界で物流・貨物への補償を手厚く

マーシュは、アジア地域の中小企業から大企業までの15,000社以上に対して、競争力があり、費用対効果の高い保険商品を手配し、多様なリスクの軽減に貢献しています。マーシュは、中小企業から大企業まで、アジア地域の 15,000 社を超える企業が、さまざまなリスクを軽減する競争力のある費用対効果の高い保険に加入できるよう貢献してきました。マーシュは、貨物海上保険の分野で国際的なプレゼンスを築いており、さまざまな保険市場にアクセスしてお客様のニーズに最適なソリューションを確保することができます。また、食品・飲料業界に関する深い専門知識を活用して、貴社にとって最適なリスク管理対策についてもアドバイスすることができます。

マーシュは、信頼できるリスクアドバイザーとして、そして保険仲介の世界的大手として、そのサービス、情報力およに交渉力には定評があります。貴社が食品・飲料分野の物流リスクを軽減しながら、競争の激しい業界で生まれたビジネスチャンスを活かせるように尽力し、変化の激しいリスク環境下で貴社が競争優位性を発揮できるようにお手伝いします。

レジリエンスの高い食品・飲料事業を展開するために、貴社のリスクエクスポージャー水準を調べましょう。

今すぐマーシュの担当者にご相談ください。