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医療機関

医療機関は、様々なリスクとの戦いに晒されています。マーシュのヘルスケア部門は、今日の激しい変化に対応し、より確実なリスク管理を行うためのお手伝いをします。

新型コロナウイルス感染症が大流行する中、医療従事者の献身なしには感染拡大の抑制は語ることが出来ません。新型コロナウイルス感染症に対する新しい治療法やワクチンは開発されて来てはいるものの、医療業界は引き続き見えないウイルスとの闘いの最前線にあって、患者の治療を第一としつつも、医療技術や診療の革新の機会を探っています。企業は、自らが直面するリスク環境の変化を把握し、効果的な保険の活用について理解を深める必要があります。

マーシュのヘルスケア部門は、医療機関が医療従事者および患者それぞれのニーズを満たすソリューションの定義、設計、提供をサポートします。当部門には今日の医療機関における課題に対して深い洞察と、保険および医療機関に精通したスペシャリストが多く在籍しています。お客様とご一緒に、医療機関の組織としてのリスクプロファイルを定義し、リスクの定量化、リスクの軽減・保有・移転に関する意思決定のお手伝いします。

リスクの洗い出しとトータル・コスト・オブ・リスクを管理することにより、キャッシュフローの改善、コストの削減、業績の変動性の低減、リスク予算の予測可能性の向上などを通して、不確実性な時代における組織の成功に貢献します。

よくある質問

病院やその他の医療提供者(高齢者介護施設などの医師グループを含む)は、医療機関における以下のような新たな、あるいは古くからの課題に直面し続けています。

  • 人手不足:医療機関は、ますます有能な人材の採用や維持に苦慮するようになってきています。世界的に高齢化が進み、介護の需要が高まる中、雇用主は経験豊富な人材を確保するため、より高い賃金や充実した福利厚生制度のための予算を確保しなければならなくなるでしょう。
  • サイバー攻撃:新しいテクノロジーの導入により、プロセスの改善と医療の質の向上が成されてきています。その反面、ランサムウェアやHIPAAなどのデータプライバシー規制の非遵守に関連する脅威が増加しています。
  • 患者の安全性:患者様の安全が確保できなかった場合、予防可能な傷病や死亡、高額な訴訟費用、賠償責任の増加、施設や医療システムに対する深刻な風評被につながる可能性があります。

医療保険市場全体のキャパシティはパンデミック以降安定しているように見られますが、多くの保険会社は新規契約や更改を慎重に判断しており、保険料交渉は引き続き厳しい状況だと言えます。

キャプティブ保険会社とは、1つまたは複数の親会社が所有する子会社であり、主にその親会社のリスクを引き受けるために設立された保険会社です。キャプティブは保険対象となるリスクの一部を引受け、残りは再保険会社が引き受けます。キャプティブ保険会社のメリットとしては、以下のようなものが考えられます:。

  • 補償範囲とキャパシティの拡大
  • 将来の損失を自らファンディングすることにより得られる投資収益
  • 再保険マーケットへの直接のアクセス
  • 資金調達と引受けの柔軟性

医療機関はキャプティブ保険会社を活用することで、より高い透明性とリスクコントロールの実践が可能となります。また、キャプティブ保険会社の出資者としての安定性を得ることにより、リスク発生時の高い深刻度・頻度の低いクレームに伴うリスクとボラティリティを軽減することができます。

役員(D&O)賠償責任保険は、企業やその他の組織の取締役または役員が訴えられた場合に、当事者を損失から保護するために設計された保険です。

D&O保険は、ピアレビューや資格審査、独占禁止法、HIPAA違反、規制当局からの申し立てなど、医療従事者にとって関心の高い補償を提供します。

高齢者介護施設は、介護職員の人材不足と施設やサービスに対する需要の高まりへの対処が求められています。財物リスクと職員、患者、入居者の安全性は、どの高齢者介護施設にとっても主要な懸念事項です。

保険およびリスクマネジメント・プログラムを評価する場合、従来の財物・人的リスクに加え、サイバー攻撃による脅威についても考慮する必要があります。

ランサムウェアはサイバー攻撃の一種で、攻撃の対象となった者のデータ、ウェブサイト、顧客サービスシステム、その他の重要なリソースへのアクセスを遮断します。攻撃者はこの情報を盾に、アクセスの解除と引き換えに身代金の支払いを要求します。患者の機密情報を扱う医療機関にとってこうした攻撃は、治療の中断、コンプライアンスに基づく訴訟、風評被害など、財務的および法的にも深刻な影響を与える可能性があります。

米国遠隔医療協会では、遠隔医療を「患者のケア、治療、サービスを改善するため、また患者あるいは医療提供者の健康と啓発のために、ある特定のウェブサイトから別のウェブサイトへ電子通信を介して交換される医療情報の使用」と定義しています。遠隔医療は医学の専門分野ではなく、医療提供の一形態です。

遠隔診療の導入には多くの利点がありますが、同時に考慮すべきリスクもあります。

遠隔医療の活用は、対面診療によるウイルス感染のリスクを軽減し、急速に進歩するテクノロジーを活用することにより啓発やトレーニングのプラットフォームが設営され、健康問題の迅速な診断が可能になります。これは医療機関と患者の双方にとってコスト削減となり得ます。

遠隔医療における主なリスクとして、直接または間接的に追う損賠賠償、医療機関による様々な場所・機器・ネットワークを駆使して患者を診ることで発生するかもしれないサイバー攻撃などの脅威の増加などが挙げられます。

急患診療を行う医療機関は、他業界の企業と同様に一般的な賠償責任保険に加え、専門職賠償責任保険も求められます。

上述の専門職業賠償責任保険とは医療過誤保険を指し、患者様の身体障害、医療費、物的損害に関連する財務リスクから医療従事者を守るものです。この保険の適用範囲は、次の2種類があります。

  • オカ―レンス方式:保険契約期間中に発生した損害を補償するもので、保険契約解除後に請求された場合も補償される。
  • クレームズメイド方式:保険期間内に発生し、保険金請求された事故のみをカバーする。
  • こうした一般的な保険に加え、医療機関を取り巻く特有のリスクと脆弱性を評価し、リスクの軽減と管理を効率的に支える保険プログラムを設計することが求められます。

リスクマネジメント・アドバイザーは、医療機関が現在のリスク環境を評価し、患者様の安全と治療を向上させるためにリスクを最小化する方策を策定・実行し、同時に医療機関の資産と職員を守ることができるよう支援します。

マーシュは、医療業界に関する専門知識と最先端のテクノロジーを駆使することにより、顧客のリスクに対して適切な保険料と補償を提供できるように保険と交渉します。また、当社の財務モデリングとデータ分析サービスを活用して、保険プログラムの設計と免責事項の見直しについてもサポートが可能です。

リスクマネジメントの専門家を登用し、リスクと保険の仲介サービスを利用することにより、リスクコストの削減、適切なリスクコントロールが可能になります。こうしたリスクマネジメントは医療機関の持続可能な経営を支え続けるでしょう。

この分野のプロフェッショナル

Satoru Hiraga

平賀 暁

マーシュ ブローカー ジャパン株式会社 取締役会長