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アジアの太陽光・風力発電事業:適切なリスクマネジメントでバンカビリティ(融資適格性)を向上

アジアにおける風力発電および太陽光発電プロジェクトの保険の最適化のために、マーシュが再生可能エネルギーリスクの軽減および管理をどのように支援できるかご覧ください。
Solar panels and wind power generation equipment

国際エネルギー機関(IEA)の再生可能エネルギー報告書2022年版によると、アジア地域の再生可能エネルギーの導入が加速化しており、2021年から2027年にかけて発電量が1,300GW以上増加する見通しです。太陽光(ソーラー)および風力発電は全体増加量の90%近くを占め、それぞれ167%および108%増加すると予想されています。太陽光(ソーラー)や風力といった再生可能エネルギープロジェクトの資金調達を円滑に進めるには、十分な補償範囲の保険・再保険の手配をはじめ、さまざまな取り組みが求められます。しかし、自然災害の発生頻度と深刻度が増して損失額が増加する中、保険・再保険の引受キャパシティにも制約がかかっています。

風力・太陽光発電所の保険料負担が増大

自然災害に晒されやすい地域で自然災害保険の引受キャパシティが低下する中、太陽光や風力発電のデベロッパーにとって、リスクマネジメント対策が以前にも増して重要になっています。さらに、保険料率が毎年上昇する中 、十分な補償枠で費用対効果の高い保険を手配するには、強固なリスクプロファイルが求められます。リスクプロファイルを向上させるには、アジア地域の再生エネルギー事業に固有の各種リスク・課題を理解したうえで、最適化することがきわめて重要です。

太陽光発電所が抱える主なリスクと課題

異常気象

気温上昇に加えて、台風や洪水、地滑り、雹(ひょう)などの異常気象の頻度が高まった結果、太陽光発電所が深刻な被害を受けるリスクも高まっています。

効果的なリスク軽減策:最初に気候変動に起因する潜在的な物的損害や事業中断の影響度をモデリングし、次に立地的な脆弱性を特定します。レジリエンスの向上策としては、太陽光パネル(PV)の角度調節と基礎構造の設計改善を実施して強風への耐性強化や、洪水被害を最小限に抑えるための敷地の嵩上げ、排水路・迂回路の設計(排水能力の増強)、貯水能力の拡大などが含まれます。

火災

落雷や溶接工事などで火災が発生した場合、太陽光パネルはシステム障害などで中断されるまで発電は継続され、通電状態が続けば、被害が拡大する恐れがあります。また、屋根の上に設置された太陽光パネルは、消火に時間がかかるとされています。

効果的なリスク軽減策:緊急事態対応訓練を定期的に実施し、迅速に対応できる体制作りが不可欠です。屋根の上に太陽光パネルを設置する場合、太陽光パネル全体を消火できる容量の消火栓を設置が推奨されています。自動消火システムを設置して火災が拡大する前に検知・抑制したり、インバーター(変換器)を動作停止・遮断したりする方法もあります。

電気装置の故障

インバーターシステムはオーバーヒート(過熱)やショートの被害を簡単に受けます。変圧器や開閉装置のメンテナンスを怠れば、故障や破損につながりかねません。

効果的なリスク軽減策:換気や冷却システムの設計を改善して過熱の影響を最小化することや、ショートを防ぐため、絶縁ケーブルへの湿気侵入・腐食を検査する頻度を増やすことも必要です。

風力発電所が抱える主なリスクと課題

異常気象

風速が強まれば、風力タービンの発電量も増加します。しかし、台風などで設計上限値を超えれば、ローター(回転子)やドライブトレイン(駆動装置)が損害を受ける恐れがあります。

効果的なリスク軽減策:最初に、気候変動に起因する潜在的な財物損害や事業中断の影響度をモデリングし、次に立地における脆弱性を特定します。また、ローターブレードがフェザーリング(強風を受け流すためにナセルを風向きに対して垂直、ブレードを風向きと並行にすること)でき、台風の通過中には発電しないようにする仕組みがあること確認することが必要です。風速の大きな台風にも耐えられる新型タービンの開発も良案です。

ブレードの故障

台風のほかにも、落雷や構造的欠陥、輸送中の損傷などが原因でブレードが損傷する可能性もあります。

効果的なリスク軽減策:過去数年間、避雷システム関連のトラブルが頻出しています。同システムの設計や信頼性には特に気を配る必要があります。また、防火システムを導入して落雷による火災の損害を最小化するとともに、過電圧保護システムを導入して精密な電子システム部品の保護が必要です。

部品不足に伴うリードタイム(調達期間)の考慮

ここ数年でタービンの損害や欠陥の増加、人材不足の強まり、生産力の増強へのニーズも大幅に高まっているため、部品の入手が著しく困難になっており、場合によっては数年のリードタイム(調達期間)を余儀なくされる懸念もあります。

効果的なリスク軽減策:サプライヤーの多様化に加えて、独自の予備部品体制を構築するなどで戦略的パートナーシップを確立し、リードタイムに伴うリスクの軽減と部品の入手機会の改善・リードタイムの短縮化に努める必要があります。また、取引先との間で重要部品に関するリードタイムの上限期間や遅延時の合理的な補償条件に合意しておくことも重要なポイントです。

物流

通常、風力発電所は遠隔地に立地している場合が多いため、部品や専門技術者の輸送・移動が複雑で費用も高く、多くの時間を要します。

効果的なリスク軽減策:輸送ルートやインフラ要件、潜在的な課題を考慮して包括的な物流計画を実施し、業務の合理化と遅延の短縮に努める必要があります。輸送遅延に備えて十分なバッファー(余裕)期間を考慮することも大切です。

再生可能エネルギーにおけるレジリエンスと保険付保の向上を目指しましょう

マーシュの再生可能エネルギーチームは、アジア地域における再生可能エネルギー分野で豊富な経験と専門性を兼ね備えています。400名を超えるリスクスペシャリストからなるグローバルな保険チームが開発業者と連携し、現地の実情と保険市場の知見を踏まえて、適切なリスクマネジメント対策を計画および実施しています。

ぜひ詳細についてマーシュへお問い合わせください。