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PFAS(有機フッ素化合物)とは?|永久化学物質への対策3項目でPFAS規制に備える

PFAS(有機フッ素化合物)をめぐる規制環境は風雲急を告げています。PFASとは、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を総称した名称であり、1万種類以上の物質があるとされています。別名「永久化学物質」とも呼ばれています。PFASは保険市場やリスク移転(転嫁)策に多大な悪影響を及ぼし、関連する損害賠償請求事案による貴社の財務基盤の悪化をも招きかねません。PFASに関するリスクについて、詳しくはマーシュへお問い合わせください。

PFAS(有機フッ素化合物)は、幅広く日用品に利用される数千種類に及ぶ人工化学物質の総称です。例えば、衣服、塗料、洗浄剤、食品包装、泡消火剤のほか、手術衣や手術用ドレープ、植え込み型医療機器などの医療品にも使用されています。

アジアで経済成長や都市化が著しく進展する中、PFASの永続的な特性を活かした商業利用が飛躍的に増加しています。

しかし、永続的な特性を有するが故に自然界でも分解されず、一部の物質は分解までに1,000年以上を要します。そのため、PFASは一般に「永久化学物質」と呼ばれています。

*保険会社ごとに業種の定義は異なります。

PFAS規制が加速中

健康や環境への懸念が高まる中、下記をはじめ、世界的にさまざまな規制が課されています。

  • 米国環境保護庁(EPA)は、PFASの飲料水への含有量として許容される最大汚染度を新基準で定めています。i
  • 欧州連合(EU)の欧州委員会は、社会にとって代替不可能かつ必須である点が証明されない限り、全てのPFASを段階的に廃止する計画iiを立てており、全ての泡消火剤の販売・使用・製造をEU全域で禁止するように提案しています。ii

アジアの国々もPFAS規制を強化し始めています:

  • 2023年、中国は規制対象リストにPFASの小分類を2項目追加し、対象物質の製造・使用・取引を管理および制限しています。iii
  • 2021年、日本と韓国はPFOAの輸出要件を新設しました。iii
  • 2022年、韓国は化粧品業界での8種類に及ぶPFASの禁止案を提起しました。iv
  • 2026年以降、シンガポールはPFASを含有する泡消火剤の使用を段階的に廃止します。v

PFAS関連の損害賠償が補償範囲に及ぼす影響

昨今、PFAS(有機フッ素化合物)を製造、使用、または提供する企業をめぐって、PFAS関連の損害賠償リスクがますます増加しています。

2024年だけで水道網の汚染に関連する注目度の高い訴訟が2件発生し、その和解金額は300万米ドル超viから100億米ドル超viiにまで及びました。また、PFASの現在および過去の使用に伴う浄化費用をめぐり、企業は政府や擁護団体から寄せられる懸念の高まりに直面しています。viii、ix

アジア地域では目立った訴訟は見受けられませんが、規制環境が急速に進展しています。

上述の背景から、保険会社はPFAS使用に起因する損害賠償へのエクスポージャーを注視しています。PFASがアスベスト訴訟と同様の高額かつ予見不能な損害賠償請求に発展する事態を危惧しているのです。

そのため、一部の保険会社は既知のPFASに対して高リスクを抱える業界や企業のPFASに起因する保険事故に免責を適用したり、PFAS関連の賠償請求事案の引受を制限したりし始めています。

マーシュと連携して3つの対策を講じましょう

アジア地域でPFAS(有機フッ素化合物)を使用する業界は多岐にわたるため、まずはリスク移転(転嫁)策が取れるのかどうか、確認をしましょう。
PFASリスクに晒されている企業は、保険を手配する前に下記の事項をご検討ください。

  • 業務運営、サプライチェーン、およびバリューチェーン全体で、PFASへのエクスポージャー水準や潜在的な影響を把握する
  • 契約更改時に保険会社からのPFAS関連の追加質問に備える
  • 各種保険商品(企業向けの一般賠償責任保険や製造物賠償責任保険、環境汚染賠償責任保険、請負業者環境汚染賠償責任保険など)でカバーできるかどうかを確認する

信頼できるリスクアドバイザーと連携して、PFASが企業活動にもたらす影響や保険対応について把握することが大切です。マーシュは、リスクエンジニアリングや保険金請求サポートなどのリスクアドバイザリーサービスの兼ね備え、企業のリスクマネジメントを支えています。

マーシュの担当者までご連絡ください。貴社のPFASリスクと保険対応について理解を深めるお手伝いをいたします

i United States Environmental Protection Agency. https://www.epa.gov/pfas/key-epa-actions-address-pfas 
ii Communication from the Commission to the European Parliament, the Council, the European Economic and Social Committee and the Committee of the Regions Chemicals Strategy for Sustainability Towards a Toxic-Free Environment. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=COM:2020:667:FIN 
iii Global Regulations Around PFAS: The Past, the Present and the Future. https://icrl.lexxion.eu/article/icrl/2023/1/4/display/html
iv New Regulations Targeting Forever Chemicals, https://www.idtechex.com/en/research-article/new-regulations-targeting-forever-chemicals/30920#:~:text=For%20example%2C%20South%20Korea%20proposed,the%20cosmetics%20industry%20in%202022.&text=The%20introduction%20of%20the%20universal,regulating%20PFAS%20to%20be%20considered. 
v National Environment Agency. https://www.nea.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/phase-out-of-fire-fighting-foams-containing-pfas-chemicals-listed-under-the-stockholm-convention_15mar24.pdf
vi https://www.basf.com/us/en/media/news-releases/2024/05/basf-corporation-enters-class-settlement-with-u-s--public-water-
vii 3M Settlement with Public Water Suppliers to Address PFAS in Drinking Water Receives Final Court Approval. https://investors.3m.com/news-events/press-releases/detail/1836/3m-settlement-with-public-water-suppliers-to-address-pfas#
viii Dutch government to hold 3M liable for 'forever chemicals' damage. https://www.reuters.com/business/environment/dutch-government-hold-3m-liable-forever-chemicals-damage-2023-05-23/ 
ix Eight arrested as climate activists break into chemicals plant in France. https://www.reuters.com/world/europe/eight-arrested-climate-activists-break-into-chemicals-plant-france-2024-03-02/#:~:text=Several%20hundred%20protesters%20briefly%20broke%20into